結婚概念

盆が近いからでしょうか。。。

「はよ結婚せやんよ」「結婚ば考えとかんといけんばい」と言って、なぜか頻りに結婚の話をされるおばあさんがいらっしゃいました。

後々思うと、昼間から寝るまでずっと「そのこと」を仰っていて、一回りして私の胸に返ってきました。

「知り合いに頼んでもいい」「いいと思う人がいたら、よく見ておくこと」などと仰るので、独身の周りの人たちはみんな笑ってみていましたが、その方の言うそれは、とても真剣なことでした。

結婚せやんよ。子どもばつくらんね。
楽しかよー。
盆とか正月、三回忌だの法事はいろいろあろうが。
集まってね。じいちゃん、ばあちゃん達のおるけん、仏さんに参ってね。何言わんちゃよかもん。するけん。
はよせんと山口だの、山下だの、のーなるけん。
ずっとじいちゃん、ばあちゃん達のそげんしてきなはったけん、せんといけんばい。

きっとこういうことなんです。
結婚しなさい。子どもを作りなさい。
結婚して名前を継いで、子どもに繋げなさい。
おじいさん、おばあさんがしてきたように仏さんにお参りすること。
盆や正月に集まって、顔をあわせておくと、何をしなければならないのか、言わなくてもわかるものです。
ずっとおじいさん、おばあさんはそうしてきたのだから、あなた方もそうするのです。
結婚しなければ、名前がそこで無くなってしまうのです。

  認知症の進んだこの方が、なぜ突然そんなことを言い始められたのか考えてみた…

そういえば日中、私はいつものように今日が何月何日か質問した後、「今日は、70年前に長崎に原爆が投下された哀しい日です」とテレビの中で行われていた平和祈念式典を指しました。
理解力が乏しくなってしまっているはずのその方は、即座にハッとして、まっすぐテレビに向かわれました。
テレビの前に座られ、手を合わせるその姿を、周りにいらっしゃった方も頷き見つめられていました。
皆さん同じ胸中だったろうと思います。

やはり、盆が近いからかも分かりません。
先人達とおばあさんが未来を案じているのでしょう。

話疲れて眠るまで、一生懸命、若い私達に伝えられていたことは、とても深く大事なことだと思いました。

核家族が増えて、一人所帯や生涯未婚の方も多くなりました。
今と昔の結婚の在り方も、「家」というものも、住まいの変化で変わっているということを感じました。

  

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