家を「解く」

昔の人は家を解体することを『解く』といいます。
「家を解く」からは、崩すや壊す、棄てるといったこととはまた違った印象を受けます。
伝統構法の家は、金物を使わない木組みで成り立っており、込み栓を抜くと、組んだ順と逆に取り外していくことができます。よって、「移築」と言って別の場所に同じように組み直すことも可能です。
自然から頂き、人の手から作られた、昔ながらの家は、感謝でもって大切にされてきたに違いないと思います。

だから、建て直す場合でも使われていた古材を再活用されているケースは多く、家を解くことは、解いて終わりになる解体ではなく、次に繋がるものでした。

私は「解く」と言う表し方はつくづく素敵だと思います。そして、そういった想いからなる言葉だからだと感じます。 

 

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