遠方からも訪ねて来られるため毎日切らさず焼いているんだとか。

ご主人が亡くなって、看板も外し、お店も畳むつもりだったそうですが、「あなたのとこが再開してから法事を決めようと思ってる」と馴染みのお客さんが再開を待っていてくれたのだそうです。萎んでいた心を支えてくれたのは、それまでもそうあってくれた周りの方たち。

それからもう20年も経ったそう。看板はさげたままだけど、お母さんの焼く昔ながらのカステラを求めて毎日田舎に人が訪れます。
カステラを焼いている間に住育学校に参加していただいたこともあり、久しぶりに会いに行くと、懐かしんで「あなたが教えてくれたからわかったよ。しっかり良かった」と家のあちこちの柱にあるほぞ穴を指してはコレコレ、礎石を指してはコレコレ「ね!コレ」とテンポの良い笑顔で、嬉しくなります。

うなぎの寝床のそのお宅は、土間で繋がった裏庭まで風が吹き抜けていました。

住育学校で話したことを細かく覚えて下さっていて本当に驚きました。それ以来家のいろんなところに気がつくようになったとか、改装しなければよかったとか本当に家に親しみを持たれているよう。

住育学校やっててよかったな。

いろんな人に触れ、ドラマを聞いて、私の心に響かせてもらってます。住まいに関わり、住文化を追っているとそこには人の営みなくしては語れません。