自然素材の良さや、土壁の家の話、昔はこうされていたんですよ、と話をしていると、しばらく聞かれていた年配の方は「そうやったもんなあ」「それで…で…でね」などと、少しづつその頃のことを懐かしく話される。いつもそうして、お話はその方達の時代へタイムスリップ。懐かしの思い出に話は弾んで、笑顔も多く見られます。暮らしや住まいの大きな変化で、今の風景には、当時の様子はもうなかなか写らない。話のきっかけに、忘れてしまっていた引き出しを開けるよう。 

私たちは、この国の気候や、この土地のこと、自然との付き合い方、良い暮らしのあり方、また人との付き合い方、美徳、道徳をどこで習うのでしょう。

昔は、一つの家にたくさんの家族が住まっていました。その生活の中で、私たちは様々なことを学んで生かしてきました。

今は、インターネットで調べれば気候や天気も、その時々に処理して過ぎることができます。業者に頼めば何でも解決します。スイッチを押せば快適になるし、自然と付き合わなくても問題ありません。核家族になり、個人が尊重されるようになって、目を向けるのは自分のことになりがちです。

私たちは、子どもたちに何を教えましょう。

 

住まいについて考えることは、私たちに幅広く携わります。

そして、今私たちが選ぶことは未来に繋がるということもしっかり受け止めなければなりません。

住教育を推進し、住まいに対する教養を得ることで、皆さんの暮らしがより豊かになり、未来の子どもたちにもきちんと繋がっていけることを願います。

だから私は話をやめ、その方のお話を聞きたい。なぜならそれが本当のことだから。私たちの知らない時代の日常を。もっと聞かせて欲しいと思います。